難しいエレキギターアンプの音作りを周波数分布で理解する

アンプを使うエレキギターの音作りは難しい

バンドでギターを弾いている方は、演奏だけでなく、音作りにもこだわっていることでしょう。

ギターアンプのつまみを調整して、良い感じの音にする。これが難しかったりします。

これと言った正解がないものなので、音作りの意味がよくわからないと、路頭に迷ってしまいます

音作りでスタジオと家を行ったり来たり、「私は何をしているんだろうか…」そんなこともあるかもしれません。

その原因の1つは、音の性質(周波数)を視覚的に理解していない事だと思っています。

バンドをやっていても、なかなか周波数を目で確認する機会はないでしょう(私がそうでした)

音作りを視覚的に理解することで、今まで以上に明確なイメージを持って、音作りに取り組めるようになるはずです

そんなわけで、アンプのイコライザー設定による音の違いをまとめてみました。

アンプシミュレーターで周波数の違いを比較する

アンプでの音作りを疑似的に再現するため、GuitarRig5というアンプシミュレーターを使いました。

スタジオとかにあるマーシャルのJCM800だと思い込んでください。

エレキギターの元音

アンプシミュレーター 設定:オール12時(フラットとします)

これを、スペクトルアナライザーで周波数分布を見ると、以下のようになります。

この音を基準に比較していきます。

ここでの目的は、それぞれの周波数分布を目で見て、「普段、耳だけで行っている音作りでは何が起こっているのか」という意味を知ることです。

スペクトルの形を覚えることに意味はありませんが、耳で聴いた音の周波数の変化をよりイメージしやすくなると思います。

補足として、人間はだいたい低い音は20Hzから高い音は20000Hzまで聴こえると言われています

ちなみに上のスペクトル図では、左端が20Hz、右端が20000Hzとなっています。

スペクトルアナライザーを使う

スペクトルアナライザーは、音の周波数を視覚的に表示してくれます。

上の青いスペクトルをもとに、アンプのつまみを回した時の変化を見てみます

スペクトルアナライザーの周波数分布の変化」と、「耳ではどう聴こえるのか」を確かめましょう。

(以下の画像はクリックで拡大できます)

低音域の比較(BASS)

フラット → 低音域下げ(BASS=0)

 

だいたい400Hz以下の音域が下がっているように見えますね。

点々の付いているオレンジの線の意味は、元音との差分を表しています。

なので、これをみると「このアンプはBASSを下げると400Hzぐらいから下がるのかなぁ」となります(推測ですが)

この辺は、それぞれのアンプのキャラクターにも依るところでもあります。

とにかく、「低音が下がるとこんな風に聴こえるのかぁ」というのが体感でき、視覚的にも理解できるかと思います。

当然ですが、つまみを0にしたからと言って、「その帯域の周波数が全く鳴らなくなる」という訳ではないこともわかりますね。

中音域の比較(MID)

フラット → 中音域下げ(MID=0)

 

これをみると、1~2kHzを中心にして、中音域が調整されていると見てとれます。

聴いた感じでも、「ジャリっと耳に当たってくる1~2kHzの音が弱まったなぁ」ということは伝わるでしょうか。

音が前に出てくる音域なので、ギターソロで中音域をもち上げる意味がわかるかと思います。

逆にバッキングではボーカルとぶつかるので、控えめにすることも同じ理由からです。

高音域の比較(TREBLE、PRESENCE)

スペクトルの変化が見えにくかったので、TREBLEとPRESENCEは、ひとまとめにして高音域としました。

フラット → 高音域下げ(TREBLE=0 PRESENCE=0)

 

高音は見た目では、変化がわかりにくかったので、トレブルとプレゼンスをひとまとめにしました。

高音を下げた赤のスペクトルを見ると確かに高音域が下がっていて、オレンジの線はなだらかに上がっています。

音を聴いた感じは、耳に当たるチリチリとした感覚が弱まって、いわゆる「こもった音」に近づくのがわかります

まとめ

  • アンプによって周波数コントロールの傾向は違う
  • 周波数を視覚的に理解できると音作りの意味がわかりやすい
  • 音の周波数と耳での聴こえ方を体感で理解することが大事

はじめから耳が良ければいいのですが、そういう訳にもいきません。

ここで言う「耳の良さ」は「聴いた音の周波数を脳で理解する能力」みたいなものです

とはいえ最終的には、耳で聴いて判断できるようになることが目的のはずです。

そのためには、まず「アンプで何を行っているか」と、「それによって耳ではどう聴こえるのか」が大事です。

余談

今回は、なぜか各音域を下げたものと比較してしまいました…。

各音域をもち上げたものを比較する方がわかりやすかったのかなと思いますが、また次の機会に…。

今回は、低音域・中音域・高音域と大きく3つに分けましたが、もっと細かく周波数ごとの比較もやってみたいです。

以上、「難しいエレキギターアンプの音作りを周波数分布で理解する」でした。